2016年8月2日火曜日

減圧器(Decompressor)

今年の春の実験教室のネタですね。

テーマは「バルブ」

シリンジに排気バルブと逆流防止バルブを取り付けて、連続的に容器から中の気体を排出するって感じかな。

ざっくり言うと、「減圧器」ですね。

シリンジを引いたあとに押し戻すときに、シリンジ内の空気を外に排出するためのバルブ(排気バルブ)をつけることは、だいぶ以前から何処かで聞いたことがあったので、すぐに思いついて作成できたんですが、問題は逆流を防ぐ方のバルブでした。

当然、シリンジを押し戻せば、引いた時の空気は容器の方に戻ってしまいます。
何度引いても押しても、戻ってしまえば、一向に容器の空気は減圧されませんよね。あたりまえです。

そこで、シリンジに引いた空気を容器の方に戻らないようにするためのバルブが必要になるわけです。

ただ、構造上どうしてもこのバルブは外側につけることはムリです。
シリンジの中に弁(バルブ)をつけて逆流を防ぐ方法を考えなくてはいけません。

でもって、さらに問題は、バルブに適していると思って使っていた素材はシリコンシートなんですが、これって接着剤などではくっつかないんですよねー。
しかも、付けたい場所がシリンジの一番奥の部分だから、加工をしようにもメッチャクチャ無理があるんです。

で、退職されたB条せんせいが置き土産に残してくれたアイデアがこれなんです。

DSC01189

シリンジにスリットを入れて、外から差し込む。
という方法。

DSC01191

加工はやっぱり難しいですが、切り込み部分の密閉度さえ気をつければかなりの精度で逆流弁が機能し、エアーを抜き続けられました。

すばらしい!

実際に、気圧計で測定したところ、300mmHg以下の測定不能のところまで減圧できましたし、お湯を使った低温沸騰の実験もできました。

これって、高校化学の授業でも使えるんじゃね?
ってかんじですね。


やっぱり、バルブが生命線です。

(これは試作機のテスト動作です。完成版は風船がパンパンになります。)




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